Blue Bird

「それはこっちの台詞。まさかあのお店の常連じゃないよね」

どうやら見られていたらしい。

『Ruby』は大手企業。ショーケースに並べられたジュエリーは二桁からが相場だった。

もちろんとても普通の人間が簡単に買える物ではない。どうみても私はその普通の人間だ。


「橘綾香さん。あなた一体何者なのかな」


まずい。まさか高岡麗美じゃなく彼に捕まるとは思わなかった。そう。事件のことを調べに最初に向かった兄が最後に勤めていたバー、事件現場のマスターだった。