Blue Bird

突然聞こえた入り口でのオーナーの張り上げた声に思わず目を向ける。白いガラス張りのこの空間は割りと入り口寄りになっており、うっすらだけど隙間から覗くことができる。

だが現れたのは俺の期待する人物ではなかった。もう用はないと言うように黙ってグラスをつくる。

「ねー大翔ー聞いてるの?」

隣で不機嫌な声で言う優奈。

今日も来てない。あれからずっと会ってない。

あの黒髪の若い女性。記者の橘綾香と名乗りこの店に来た女。