「さっきすれ違ったんだ。名前は高岡麗美。ジュエリーデザイナーであり大物政治家の愛人。彼女のバックには数えきれない大物がついてるらしい」


そんな凄い人だったの…。気品があって落ち着いた綺麗な話し方ではあったけれど。

確かに姿までは見えなかったけど仮面の下になにか隠れてそうな雰囲気はあった。


「とにかく、気を付けて」

もう一度言った彼はいつの間にか元の優しい表情に戻っていた。