Blue Bird

お金はあるはずなのに選ぶのは古い小さなホテル。理由は簡単だった。足がつかないようにするため。

それなりの地位にたつ身として絶対にばれてはいけないのだろう。彼は既婚者で子供もいるのだから。だからあえて目立たないようなホテルを選ぶようだ。そんなことも連れてかれるうちにわかってきた。この男の考えることなにもかも吐き気がする。


「どうした?久しぶりで緊張してるのかな」


黙って歩いてる私の耳元で囁く彰人。

身震いしながら堪えた。