Blue Bird

「待てよっ!」


彼の大きな声が後ろから追いかけてくる。


お願い…今は来ないで

その思いとは裏腹に歩幅の違いは明らかで。どんなに必死で走ってもすぐに捕まってしまった。


夜中のクラブ街。きらびやかなネオンたちだけが私たちを照らしている。

諦めて静かにこちらへと近づく大翔さんを黙ってみつめた。


「一体どうしたんだ…」

低音が少しだけ戸惑っているのがわかる。そう言った瞳は本当に心配していた。


「ごめんなさい…」