Blue Bird

「いえ。なにも。両親は私には厳しかったですから」


目を伏せて言う理央は寂しそうに笑っていた。


『憎んだことはなかったけれど私もずっと兄さんが羨ましかった』


以前彼女がそう言っていたのを思い出した。


今までどんな風に生きてきたのか、俺は知らない。けど目の前で寂しそうに笑う彼女が、今の俺には自分と重なってみえた。届かない存在に憧れ、必死に生きてきた自分と。


「すいません。少し懐かしくて」

そう言ってスノードームを元の棚に置いた彼女は踵を返して歩き出す。