「りお……」

かすれた声でそう告げた兄の言葉。


何年かぶりに聞くその声に胸が締め付けられた。久しぶりの再会。それがまさかこんな形になるなんて。

「…兄さん、どうして出ていったの?」

あの日黙って家を出た兄。後を追う暇もなかった。

その兄が今逮捕されて目の前にいる。その事実が信じられなかった。