空のギター

 五人は一曲目に歌った『桜舞う時』の世界観に合わせた白とピンクを基調とした衣装を着て華麗に舞っている。統一感があるのにそれぞれ個性が見られるのは、スタイリスト達のお陰だろう。

 Kouyaはピンクの英字プリントが入った白Tシャツにブラックデニムを合わせ、腰元には二連のシルバーチェーンが光っている。Kazamiは黒いネクタイの騙し絵が描かれた白いタンクトップの上に淡いピンクの上着を羽織り、下は色落ちしたダメージジーンズをはいている。Hiroは可愛らしいピンクのまだら模様のTシャツを着ていて、クロスの長いネックレスを下げている。下は切りっぱなしの裾が個性的な、薄い色のハーフデニムだ。Raiseiは無地の白Tシャツにインディゴブルーのジーンズ、腰にはピンクのタータンチェックのシャツを巻いていた。

 そしてSetsunaは、黒でギターの絵が描かれたピンク色のタンクトップの上に、先程急いで借りた代わりの白い半袖シャツを羽織り、黒いハーフパンツをはいている。靴は全員白で統一していた。



「グループって良いな……」


 ポツリ、織春が呟く。ステージではたった一人の彼女は、和気あいあいとした五人から未だ目を逸らさない。