3月8日──この日は“Sounds Good!”の拡大版、“春の音楽祭”と題した三時間の生番組が放送されていた。トップバッターの織春を筆頭に、いつもより大きな会場で、アーティスト達が春にぴったりの曲を熱唱していく。デビュー一周年を迎えたQuintetは、緊張と興奮で鼓動を高鳴らせながら、自分達の出番を待っていた。



「さて、お次は歌もダンスもバンドもこなすQuintetの皆さんです!何と、本日デビュー一周年を迎えられました!!会場の皆さん、拍手をお願いします!!」



 司会者が言うより早く、広い会場を大きな拍手音が埋め尽くす。五人は「ありがとうございまーす!!」とお礼の言葉を返し、ゲスト席に座った。



「この一年はどうでしたか?」

「そうですねぇ……とにかく凄く充実した一年でした。初め“この五人でユニットを組む”って言われた時は、突然のことで本当にびっくりしたんですよ。
でも、一緒に過ごすようになってからは毎日が楽しくて。本当に、出会えて良かったなって思いました!」



 代表して答えたKouyaの言葉に、誰も異存はないようだ。「リーダー、ナイス!」と言ったKazamiがハイタッチを求めると、他三人も彼に続いた。