雪降る道でも進もうか
五つの足跡、今踏みしめて
君が居れば怖くないから
共に軌跡を残してゆくよ





 どんな困難が訪れても立ち向かおう。これからもずっと、仲間で居よう。それぞれの名前が入った歌詞を歌いきった五人を、大きな拍手と眩(まばゆ)いライトが包み込んでくれた。



「……Quintetの皆さん、ありがとうございました!それでは、最後はみんなで歌いましょう!!」



 司会者が告げた曲名が、会場に設置してある大きなスクリーンに映し出される。「皆さん、一緒に歌って下さいね!」という彼女の台詞を聞き、別れを惜しむ叫びがいくつも起こる。そんな声に笑顔を向ける出演者。最後の時を彩るように、音楽が流れ始めた。

 過ぎ去ったクリスマス・大失恋が胸をよぎる。まだ君を忘れられないのだけど、それをごまかすために、今年は違う誰かに愛を語ろうか……綺麗で哀しい曲だった。

 会場は、出演者達と観客の歌声で溢れている。イベントの終わりを躊躇うように、いつまでも贈られる拍手と歓声。それに応える声も、なかなか止まない。賑やかさが漸く静けさに変わった頃──空から降りてきたダイヤモンドのような欠片達が、人々の心を温めていった。