「──へぇー……じゃあ、割と順調に撮影進んでるんだな。てっきり、ミス連発して共演者を困らせてると思ってた。」
冬へと急ぐように、11月も後半に差しかかった。受話器の向こう・神奈川から皮肉が隠った頼星の声がして、雪那はピクリと眉をひそめる。
「……それ、ものすごーく失礼じゃない?独特の空気があるって言われたの初めてなんだから、もうちょっと喜びに浸らせてくれても良いじゃん。」
「そりゃあ気が利かなくてすみませんでしたー。」
台本の棒読みさながらの頼星の物言いに、雪那は声を出して笑ってしまった。彼はやっぱりこうでなければ。長年付き合ってきた雪那は、そう思ったのかもしれない。
「そっちはどう?曲作り進んでる?」
「おう、バッチリだよ。サビとラスト、お前のギターに頑張ってもらうから。今回は久々のバンドスタイルだから、みんな張り切ってんだよなぁ。」
雪那の頭に、電話の向こうで微笑する頼星の姿が浮かんだ。メンバー達とも学校の友達とも会う時間が減った。少し寂しいことではあったが、不満を並べるよりも今を楽しもう、と雪那は思った。Quintetのクリスマスイベントも、この先待っているのだ。
冬へと急ぐように、11月も後半に差しかかった。受話器の向こう・神奈川から皮肉が隠った頼星の声がして、雪那はピクリと眉をひそめる。
「……それ、ものすごーく失礼じゃない?独特の空気があるって言われたの初めてなんだから、もうちょっと喜びに浸らせてくれても良いじゃん。」
「そりゃあ気が利かなくてすみませんでしたー。」
台本の棒読みさながらの頼星の物言いに、雪那は声を出して笑ってしまった。彼はやっぱりこうでなければ。長年付き合ってきた雪那は、そう思ったのかもしれない。
「そっちはどう?曲作り進んでる?」
「おう、バッチリだよ。サビとラスト、お前のギターに頑張ってもらうから。今回は久々のバンドスタイルだから、みんな張り切ってんだよなぁ。」
雪那の頭に、電話の向こうで微笑する頼星の姿が浮かんだ。メンバー達とも学校の友達とも会う時間が減った。少し寂しいことではあったが、不満を並べるよりも今を楽しもう、と雪那は思った。Quintetのクリスマスイベントも、この先待っているのだ。



