話している内に、雪那と頼星と風巳は生演奏、光夜と紘はデモテープ審査だったことが分かった。雪那と頼星が自分達が演奏した曲を当ててみろと言うと、三人は少ないヒントでピタリと言い当てた。それだけ色々な曲を聴いているということなのだろう。



「風巳は何弾いたんだ?」

「頼星、気になんの?俺はねぇ……某二人組アイドルユニットが歌ってる曲のラストの部分だけ弾いたんだ。従妹がそいつらのファンでさ、遊びに行くとよく流れてたんだけど、メロディがかっこいいなぁと思って!」

「……それもしかして、俺の妹が好きな人達かも!」



 紘は椅子から身を乗り出して、風巳に耳打ちする。風巳は「おぉ、大正解!」と言って笑った。紘が他の三人に曲名を告げてやると、全員あぁ、と納得した。



「光夜と紘は?何が勝負曲だったの?」



 雪那の問いに、二人は顔を見合わせる。紘が手で“お先にどうぞ”と示したので、まず光夜が口を開いた。



「俺はちょっと昔の曲だよ。曲名も好きなんだけど、歌詞が特に良くってさ。人種差別について歌ってる曲!」



 四人が一斉に「分かった!」と叫ぶ。曲名はやはり簡単に当てられてしまった。