前髪に赤いメッシュの入った黒髪のハスキーボイスの青年が森月希楽(もりづき きら)、金髪にカラコンを入れた灰色の目をした青年が空木和洋(うつぎ やすひろ)。どちらも異性から多くの支持を得そうな外見をしている。

 彼らは26歳と24歳なので、10代のQuintetからすれば兄のような、硝子からすれば弟のような年齢だろう。そんな二人は、声を揃えて六人に頭を下げる。



「この度は、僕達のファンがご迷惑をおかけしました!」



 二度とこんなことが起こらないように努める、と続ける彼らに続き、工藤も頭を下げる。「頭を上げて下さい!もう過ぎたことですよ」という硝子の言葉で、三人が体勢を元に戻す。目が合ったどの顔も、優しい笑みを浮かべていた。



「僕達、これからもっと頑張りますから!世間をあっと言わせるくらい成長してみせます!」



 頼もしいKouyaの一言に頷く他四人。自信溢れるその言葉を聞き、大したもんだと硝子が微笑する。Trickstersの二人は暫く黙っていたが、やがて暗い部屋を穏やかに照らすランプのような笑顔を浮かべた。これからは、ファンを不安にさせないためにもっと努力する。そういう決意を彼らは語ってくれた。