硝子に言われ、三人の少女は涙を拭いながら、自分達とそう年の変わらない五人の少年を見つめた。かち合った彼らの瞳は、ダイヤモンドのように輝いている。

 向けられた五つの笑顔が温かい。少女達は、ぎこちなくも笑みを返した。



「……僕達なら、怒ってないですよ。そりゃあ悲しかったけど、好意的な視線ばかりじゃないってことを教えてもらえたんで。
これからは、何もかも受け止めていかなきゃって思ってます。僕達がそういう意見も覆せるようになったら、その時はまたライブ見に来て下さいね!」



 リーダーの口からは前向きな言葉。他のメンバーが頷くと、スタッフ達は顔を見合わせて笑った。“この子達はもう大丈夫だ”、と。硝子がフッと微笑を浮かべる。つくづくお人好しな子達ね、とでも言いたげに。



「……さぁ、あんた達五人もこれで分かったでしょう?世界には色んな人達が居るの。この子達がしたことなんて可愛いもんだ、なんて言う人も居るかもしれないわね。
事務所に帰ったら、あんた達に見せたいものがあるのよ。“世間の人達がQuintetをどう思っているのか”、きちんと受け止めなさい。」