深々と頭を下げる三人に「もう良いのよ。頭を上げなさい」と言ったのは硝子だった。彼女達は、恐々とそれに従う。硝子は三人の前まで来て、金髪の少女の肩に手を置く。そして、彼女達の姉のように話し始めた。



「あなた達が彼らを好きなことは、今回の行動から、ここに居る全員が十分に分かってるわ。でも、こういうことは決して良いことじゃないのよ?こちら側だけじゃなくて、トリスタとそのファンも悲しむわ。
ファン同士の争いが起こるのを、芸能人は一番嫌うのよ。もしも自分達の大切なファンが、他のアーティストのファンを傷付けたと知ったらどう思うでしょうね?」



 硝子の台詞で、遂に三人は泣き出してしまった。ダムの水をせき止めていた板が崩壊したように、ワァワァと大声を上げて涙する。そんな彼女達の肩や背中を擦りながら、硝子はまた少しだけ続ける。



「自分達の行動がどれだけ沢山の人を悲しませたのか、もう分かるでしょう?良いファンになりたいのなら、好きなアーティストの気持ちを一番に考えなさい。そうすれば、誰かを悲しませることもなくなるわ。
……それに、好きな物は多い方が良いわよ?ウチの子達も凄くかっこいいんだからね!」