メンバー全員が、揃ってもう一度礼をする。大きな拍手が彼らを包み、イベントの始まりを輝かせてくれた。間合いを見て、Kouyaが再び話し出す。ファン達は、彼の言葉に耳を澄ませた。
「こんな五人で精一杯頑張るので、最後までお付き合い下さい。
では続いて、メドレーに参りたいと思います!『unrequited love;』、『桜舞う時』、『青い約束』、三曲続けてどうぞ!!」
人気の高い曲が並び、会場はにわかに熱を持つ。このライブは、ファンが五人をより間近で見られるようにと考え、演奏はせずにBGMで曲を流している。結果、五人はステージ上を自由に動き回ることが可能になり、ファンとの距離も縮まるという訳だ。
彼女達にとってもQuintetにとっても喜ばしい時間──だった筈なのだが。幸せは時として、一瞬で姿を変えてしまう。
夏空にふさわしい『青い約束』の大サビが歌われていた、まさにその時。Setsunaの声に自分の声を重ねようとしていたKazamiの表情が険しくなった。彼の視界に飛び込んできたのは、“調子乗ってんじゃねー!”、“引っ込め”などのいわゆるアンチボード。ご丁寧に、立てた親指を下に向けたブーイングマーク付きのものまである。
「こんな五人で精一杯頑張るので、最後までお付き合い下さい。
では続いて、メドレーに参りたいと思います!『unrequited love;』、『桜舞う時』、『青い約束』、三曲続けてどうぞ!!」
人気の高い曲が並び、会場はにわかに熱を持つ。このライブは、ファンが五人をより間近で見られるようにと考え、演奏はせずにBGMで曲を流している。結果、五人はステージ上を自由に動き回ることが可能になり、ファンとの距離も縮まるという訳だ。
彼女達にとってもQuintetにとっても喜ばしい時間──だった筈なのだが。幸せは時として、一瞬で姿を変えてしまう。
夏空にふさわしい『青い約束』の大サビが歌われていた、まさにその時。Setsunaの声に自分の声を重ねようとしていたKazamiの表情が険しくなった。彼の視界に飛び込んできたのは、“調子乗ってんじゃねー!”、“引っ込め”などのいわゆるアンチボード。ご丁寧に、立てた親指を下に向けたブーイングマーク付きのものまである。



