「……謝るなよ!二人の夢が叶ったんだし、俺達は喜んで応援するよ。な?」



 叶が三人に同意を求めると、彼らは大きく頷いた。叶はホッとしたような笑みを浮かべる。反対者が居たらどうしようと、心の片隅では心配していたのだろう。リーダーはどうやら最後に発言するらしい。叶の後に続き、侑と都香が喋り出した。



「当たり前でしょ!ウチらは二人をずっと見てきたんだから!!」

「雪那が男としてデビューしたのには驚いたけど、テレビで見たら凄くかっこよかったよ!精一杯応援するからね!!」



 二人が嬉しそうに言うと、雪那と頼星はホッと胸を撫で下ろす。二人にもやはり、一抹の不安があったようだ。



「ところで雪那、学校にマスコミが来たらどうするんだ?女だってバレるんじゃ……」



 叶が問えば、雪那は「あぁ、多分心配ないよ」と言い、ニコリと笑んだ。何やら絶対的な自信があるらしい。他五人の視線も、“言ってみろよ”という風に彼女に刺さった。



「声、Setsunaの時と違うから。今は地声だけど、仕事中は低めにしてるからね。生放送で曲をアレンジする時は、叫ぶか低音で歌うかで極端だし……中間は、まず気付かれないよ。」