「……みんな久し振りねぇ。おばあちゃんですよ。」

「わ!ばーちゃんだ!!久し振りー!!」

「その声は光かね?お友達とは仲良くしてる?」

「うん!中学校って楽しいね!!休み時間はね、友達とサッカーしてる!!」



 はしゃいだような口調で語る光は、現在中1だ。亜美は中3なのだが、転校することに迷いはなかったらしい。紘が一人暮らしをすれば部屋がとんでもないゴミ屋敷と化してしまうと思ったし、自分の将来のことも考えて東京についてくることにしたようなのだ。

 また、末っ子の光だけを祖父母の元に残していくのは紘も亜美も気が引けたので、祖父母の同意の下で彼を連れていくことにした。光も迷わず首を縦に振った。兄弟が離れて暮らすことを、きっと三人共が嫌ったのだろう。



「光、お兄ちゃんとお姉ちゃんに心配かけたらダメよ。」

「うん、分かった!おばあちゃんも体に気を付けてね。お兄ちゃんとお姉ちゃんとも話すよね?」

「そうねぇ、代わってもらおうかしら。」



 光は「代わらなくてもこのまま話せるよ」とハンズフリーの説明をし、祖母にもそうするようにと手順を伝えた。これで、祖父母も同時に会話に加わることが出来る。