アクロバットを取り入れた演技に挑戦するらしい、ダンス部メンバー達。経験のない部長と指揮を代わり、風巳やアクロバットダンスを習っている子が中心となって稽古は進む。



「ウチの紘がバック転やらロンダートやらが凄く上手くてさ、この前アドバイスしてもらったんだよね。また分かんないことがあれば紘に聞いてくるし、男子は技極めようぜ!
女子にアクロバットは危険だからなぁ……怪我したら大変だし、経験者以外は危ないからやめた方が良いね。」

「そうだよなぁ。じゃあ、他の女子にはタップダンスやってもらえば良いんじゃないか?ほら、前に長坂がやりたいって言ってたし!」

「あ、覚えててくれたんだ?ねぇ、みんなでタップやろうよ!」



 様々な意見が飛び交い、“青空ミーティング”は効果てきめんだった。話し合いの結果、アクロバットとタップを融合したものに決まり、後日それぞれが考えてきた振り付けを組み合わせようということになった。



「よーし、折角だから青空の下で一曲踊るか!お客さんがこんなに居るし!!」



 部長の粋な提案に歓声が上がり、間もなくラジカセから音楽が流れ出す。部員達は跳ねるように、軽快なリズムに乗った。