あの子は誰なんだ??
その事で頭がいっぱい。
「空ターーッチ!!おまえが鬼だぞ!!」
そんな事を考えていたら、捕まってしまった。
だけどそれどころじゃない。
「おい!!晃!!みんなを呼んで!!」
一時鬼ごっこを中断して、みんなを集めた。
「なんだよ空〜。おまえ鬼が嫌だからっていいわけか〜??」
「んなわけあるかぁ!!そんな事よりあの子を見てみろよ!!」
俺はベンチに座っているあの子に指さした。
「あの子ってここらへんの子じゃないよな??みんなは誰だか分かるか??」
「えっ??誰あの子??私知らなーい」
「俺も知らないなー」
「私も」
ほとんどの人は知らないと言った。
なんだよ、みんな知らないのかよ。
「あれ??まって私知ってるかも」
ちさとが顎に手を当てながら考えた様子で言った。
「この前お父さんが言ってたんだけど、この街に引っ越してくる人がいるんだって。もしかしたらその子じゃない??」

