ー…

「あぁー…その…取り乱してごめん…」

あれから落ち着きを取り戻した琉生は知り合ってばかりの、しかも女の子二人の前で泣いたことに恥ずかしくなり目をそむける琉生

ー…あぁーもうっ、男が泣くとか…最悪じゃん…!!

「いえ、少し晴れやかな顔になってよかったです!」

よかったよかったと自分のことのように嬉しそうに笑うつばさに軽く頬を赤く染め微笑み返す琉生。

「まっ、あれだよ!ふったこと後悔させるぐらい幸せになれってことだよ、少年!」

「……なんか阿部ちゃん、親父くさいですよ」

「……アイドル科にしては珍しい人だな」

つばさと琉生は冷めた目で菜摘をみつめる。

「二人ともひどい!それに、アイドル科だからってイメージで判断しないでよ!あたしは、他の人みたいに性格を繕うとかしたくないの!」

琉生の言葉に頬を膨らませ怒る菜摘をつばさは見慣れているため軽く息をつくと琉生の方に向き直ると…

「まぁ、人それぞれということですね…それよりお名前を伺ってもいいですか?」

と首をかしげるつばさに名乗ってなかったことを思い出し慌てる琉生

「あっ、お、俺は普通科所属2年1組の坂本琉生です」



つばさと琉生がやり取りしてるのをみていた菜摘は『これはこれは、新しい始まりの予感!』と一人ニヤニヤするのだった

ー…