それに、窓の方の隣の席は例の不登校様の席だから、より見えるというものだ。
あぁ、私もあそこで飛んでいる鳥のようになりたい。
何にも縛られずに遊び呆けたい…、なんて遠い目をして見ていると、前の席から「…ぅわー」って声が聞こえた。
あ、今の絶対こころちゃん引いたでしょ。
自分でも変な顔してるんだろーなぁとは思ったけど、友達なら、たとえ引いたとしても心の中だけにしまっておこうよ!?
…と思ったけれども、そんなこといって本当に友達否定されたらさすがに立ち直れないので心の中だけに閉じ込めておいた。
ふぅ、と息を吐いて、先生が黒板に書いている字を書くべく、シャーペンを持とうとする、けれども。
(…あれ、筆箱がない)
私の机にそれらしきものが見当たらない。
なぜだ、なぜ?
周りをキョロキョロしていると、廊下側の隣の席の人が床の方を指さして、落ちてるよ、と教えてくれた。
え、私いつの間に落としたの?
全然気づかなかったんですけど。
