理由は簡単、運が悪いから。

「りょーくん、昔っから疫病神だからなぁ」

「申し訳ありません…」

 ほんとに申し訳なさそうなりょーくんに免じて、

「同じ場所でも断れるようになりなよ」

 という説教だけで終わりにしてあげることにした。
 出来ないことをして失敗なんてしたら元も子もない。

「はい」

 りょーくんには珍しくため息混じりに返事した。私は熱でもあるのかと本気で心配してこう言った。

「どうしたの?りょーくん、風邪でも引いた?」

「違いますよ!あの…その…ちょ、ちょっといろいろありまして…」

 と、やっぱりどこか変なりょーくんに、私はこう言った。

「告られたね?」

「!!」

 図星のようで、りょーくんは顔を真っ赤にしてしまった。私は、

「…、で?返事はしたの?」

 と、聞いてみた。りょーくんはというと、

「えぇ、ちゃんとお付き合いは出来ないとお断りはしたのですが…」

 と、ごもごもしたように話すもので、

「で?なーしたの」

 と、急かすように言ってしまった。りょーくんは、ため息をつきながらこう返したのだった。