そうこうして一時限目が終わると、シゲはすぐに立ち上がってこう言った。

「よし!行くぞ!」

 つられて立ち上がってしまった私は、

「どこに?」

 と尋ねてみた。

「決まってんだろ!サボれる場所だよ!お前も来い!」

 と、シゲは私の腕を掴んで走り出した。私の

「一人で行けばいいでしょ!」

 という言葉も聞かずに。

「ちょ、ちょっと!」

 と、シゲの手を振り払うと、またすぐに私の腕を掴み、歩きながらこう言った。

「別に良いだろ!待ったんだから!」

 私はというと、負けじとこう言った。

「待ってとは言ったけど一緒に行くとは言ってないから!」

 シゲはというと、

「知るかー!俺は待った!だから行く!」

 私はもちろん、

「だから一人で行きなさいよ!」

 そんな言い合いを廊下で繰り広げていると、

「夫婦漫才も対外にしろ!堂々とサボりに行くって言う奴がいるか!」