「え?」

「先輩たちが卒業してから今まで、私たちは2人しかいなかったでしょ?人数が居ないときは、寮長たちに手伝ってもらうのが通例なの。いくら持ち上がり、と言っても、さすがに全員の情報は知らないのよ。」

ふふふと笑う、紅王子。


「しぃ、ここの案内してあげて?
私、姫のところ行ってくるから。
9時前には、クラスに送っていってあげてね。」

「はーい!
みぃちゃん、今日は着替えは無いのよね?」

「うん、今日はこれで出るよ」


どんどんスピーディーに話が進んでいく。

格好良くジャケットを羽織る紅王子は、王子様そのものだった。