「うわぁ…」
流宇が思わず感嘆の声をあげる。
その思わず開いてしまった口を慌てて押さえている。
相変わらず可愛い。
まぁ確かに、声をもらしてしまうのは分かる。
案内されたのは先ほど流宇が指した建物の一室。
その建物は学校には不可欠な、なんとか委員会、というものの部屋がすべてあるそう。なんとも豪華な学校だな。
その中でも一際広い部屋が隣同士に二つ。
その片方に私たちは足を踏み入れた訳だ。
「しぃ、待たせたね。」
流宇よりも背の低い、お人形みたいな可愛らしい女の子。
紅王子は、彼女を『しぃ』と呼んだ。