「「「紅王子-プランス・ルージュ-!」」」 私以外の3人が同時に声をあげる。 揃う声につい笑いが漏れる。なんだそりゃ、ドラマじゃないんだから…。 それを隠すように俯いていた顔をあげると、美しい人がいた。 綺麗だ。 深い紅色のタイがよく似合う。 背筋の伸びた芯のある人。 格好いいに綺麗が足されたような、そんな感じ。 桜並木から降る花びらの雨が、その人に絡む。 …ドラマみたい。