柔らかな風が吹く。
一年の始まりに相応しい、春の息吹がふわりと頬をなぜる。
ゆっくりと空を仰ぐと、一筋の白い雲が足早に進んでいた。
新しい生活に胸を踊らせて、走り出そうとした。




「あのっ……!」