「君は流宇さんかな?」 流宇にも声をかける『良い顔』の彼。 「よくお分かりで」 相変わらず、流宇は世渡りが上手い。 頭も回るし、いつも感謝だ。 だけど、何か納得できない。 「翠さんと来羽さんとは昨日お話しましたから。」 普通に会話を織りなす、その男にだんだん嫌悪感を覚えていく。 「そうだったんですか、」 流宇も営業スマイル。 …いや、どちらかといえば社交辞令っぽい。 「時に、何故こんなに早く?」 私以外の3人が、その男の言葉で目を合わせた。