「…あっちの建物かな?」 流宇が指をさす。 物凄く大きい校舎の脇に、三階建ての別棟。その両脇には、さらに高い、四階建ての棟がくっついている。まるで平等院鳳凰堂みたいだ。 真ん中は委員会棟、両脇はクラブハウスだってのは把握済み。さすがの私だって、入学する予定の学校のパンフくらい見るって。 じゃあ何でいろいろ知らないのかって? 推薦で決まっちゃったから、気にする必要がなかったっていうかなんていうか。 うん、なに言っても言い訳っぽいからやめておこう。 「ねぇ、 ちょっとそこの君たち」