「そういや、寮の入居日っていつだっけ?」
突っ込みが入らないうちに、突然翠が口を開く。
「嫌ね、忘れたの?明日の午後からよ。」
来羽がふふっと優しい笑みを浮かべる。
「そっか、同じ寮だと良いな…」
翠、ナイス。
ぶっちゃけ忘れてたよ。
翠が不意に私を見て笑う。
あ、分かってる顔。
心の中でお礼を言っておく。後で何か奢らされるような気がするけど…(笑)
「侑貴っ、行くよ」
流宇が私の手を引っ張るので、されるがままに歩いていった。
まだポツリポツリとしかいない生徒たち。
生徒玄関に向かうと、クラス分けが貼ってあった。
皆、A組。
「ま、予想通りだね」
と、翠が言う。
なんでだろ、と思ってると翠が近付いてきて
「成績順」
と囁いて再び来羽のもとへ。
そろそろ楽しんでるんじゃないの。
