「何、じゃあ今日早めに行く意味解ってないって事?」
翠は溜め息をついて呆れたように眉をひそめる。
「そうなるわよね…?…まさか侑貴が来ないなんて思ってなかったし、王子様の件も軽く受け止めたんだと思ってたわ。」
来羽がそう続ける。
未だに話が見えずにいるが、そうしているうちに学園の門が見えてきた。
「相変わらず広いねぇ…。」
流宇が学園の門の前で立ち止まり呟いた。
「てゆーか、どれが何の建物か不明だよね。」
流宇は振り返るとクスクスと楽しげに笑みを溢し、今にも飛んでいきそうなくらい足を弾ませている。
そんな流宇の様子を見て微笑む来羽と翠。
お前らは親かっ…
