着替えを済ませてホールに出ると、店長とリカが話をしていた。



そして俺もそこに呼ばれた。



「宝来くん、今日からドリンカーやってもらうから。リカちゃんに教えて貰って。」



突然言われた洗い場以外の仕事。



面接の時に、いずれドリンクや調理の仕事もしてもらうとは言われていたけど、俺には関係ない話で、



そんな仕事はまず任されないだろうし、そうなるまでには辞めているだろう。


そう思っていた。



今まで俺は、工場での流れ作業や、ビルの清掃、ポスティング・・・



一人で淡々とする仕事しかしてこなかった。



少なくとも、この4ヵ月、俺が見てきたドリンカーの仕事は、俺が絶対に選ばないであろう仕事だ。




「歩太、頑張ろね!」



リカは嬉しそうに俺を見上げる。



新しい仕事に、不思議と、抵抗を感じなかったんだ。




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