「あれ?歩太どうしたの?」



更衣室から出てきたリカは、まだ俺が帰っていない事に、明らかに驚いていた。



「携帯。今度、一緒に買いに行ってくれない?」



俺はそう言った。



どう思われてもいい。




例え、“無駄”になったとしても・・・



俺は、どうしても携帯を持ちたかった。



そして、それをリカに選んで欲しかった。





今まで何も欲しいと思わなかったし、欲しいと思っても、俺に相応しくないと思えば、簡単に諦める事が出来たのに・・・




リカの優しいさに、どんどんと抑えの効かない感情が溢れだしてしまう。




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