少しずつ変わっていく風景。
いくつものトンネルを抜けて、山や田んぼが増えていく。
電車に乗ってまだ1時間くらいなのに、俺達が住んでいる街とは、全然違う景色。
ずっと見ていても飽きない。
「のどかだねぇ〜」
リカのうっとりする表情に、俺も素直に頷く。
「あゆ、そろそろお弁当食べる?」
駅で買った弁当を、ようやく食べる。
これも楽しみの一つだった。
冷たいのに、めちゃくちゃうまく感じるのは、不思議だ。
俺はあっと言う間にたいらげた。
もう一つくらい、買っとけば良かったな・・・
なんて思っていると、リカはゴソゴソとカバンをあさって、俺に茶色の紙の袋を渡してきた。
その袋には、こう書かれていた。
【歩太くんのおやつ300円 】
中をのぞき込むと、10円や20円、30円くらいの駄菓子がいっぱい詰め込まれていた。
ふっと笑った俺に、リカは満足そうに笑って、もう一つ、
【リカちゃんのおやつ300円 】
と書かれた紙の袋を取り出した。
「遠足みたいでしょ?」
リカ、ありがとう。
リカは、俺を幸せにしてくれる魔法使い。
さりげないリカの気持ちが、俺の心を温めてくれる。
本当に幸せだよ。
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