「歩太、私ちょっとコンビニ行って来るけど、何か欲しいものある?」



時計を見ると、既に夜中の2時を回っている。



居酒屋で働く俺達は、前半上がりで11時に仕事を終えても、眠りにつくのは、いつも明るくなり始める頃。



リカは時々こういう事を言う。



「何で?何買いに行くの?」



「アイス〜!!」



仕事帰りにコンビニに寄って、『デザート買っとく?』そう聞いても、『今日はいいや!』って答えるクセに、やっぱり甘い物が食べたくなるらしい。




リカは既に財布を持って、玄関で靴を履いている。



いくら近いといっても、大事な彼女を夜中に一人で歩かせる訳にはいかない。




「一緒に行く。」




俺も財布と家の鍵を持って、靴を履く。


「あゆ〜、優しいね!」



玄関で嬉しそうに抱きついてくるリカを、そのまま部屋に引き戻して、今すぐ自分だけのものにしたくなる。




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