「レイン、私は……なんの為に生まれてきたのかなぁ…」


空を見上げ、雨に打たれたまま、私は問う。


誰でも良い、大切な人も救えないこんな血や、不幸を運ぶ私の存在理由を教えてほしかった。



「スイラン………」

「私、どうしてディオナを助けられなかったんだろう…。何も、叶えてくれないこんな血、あってもしょうがないよ…」


両手を見つめ、その無力さに情けなくて、悲しくて涙が出てしまう。


「スイラン、お前がいたから、クリスも助かった。お前があの時、ディオナ様を信じ続けたから、戦争も止められたんだ」


「本当にそうかな、そもそも、私が招いてしまったんだよ。だから、結局私が………」


私が悪いんだ。
そう言おうとして、言葉を失った。


私は、いつの間にかレインに抱き締められていた。