深紅の花に姫君《改装版》



「ディオナぁぁっ!!」


泣き叫ぶ私に、今度はクリスのうめき声が聞こえた。



「ぐっ……う……」


今度は、隣で倒れていたクリスが目を開ける。


「クリス、しっかりして!目を閉じては駄目!!」


私は空いている方の手でクリスの手を握った。


「温かい……俺の……とは、違う……」


クリスは幸せそうに笑った。


「クリス、あなたはこれから、もっとあなた自身の為に生きるの!だから、目を閉じては駄目!」


お願い、連れていかないで………


「こんな、俺……に、生きろと、言ったのは……あなたが……初めてです……」


「あなたは、私の希望。こんな、なんて言わないで!何度でも言うから、生きて!」


クリスの手を掴み、心から願う。
お願い、私に女神の血が流れているのなら……


「こんな時くらい、私の願いを叶えてよ!!」


私は遠くに、ディオナが握っていた短剣を見つける。
そして、決心した。