深紅の花に姫君《改装版》





「冷たい…私の血を飲んだのにどうして!!?」

「グフッ……女神の血を飲んでも、力の譲与は出来ないのですね。それどころか、すでに効力を失っている……?」



マルクス大臣は倒れながらディオナを見つめて何かを呟いている。


「やっぱ……り……私には………何も、無い……のね」

「ディオナ!!違う、違うよ……ディオナには、ディオナにしか出来ない事があって、何もないなんて事っ……」


泣き出す私に、ディオナは笑った。


「お人好し……の馬鹿ね……」

「馬鹿でもいい!もう一度、私たちやり直そう?ねぇ、だから……」


私たち、もう一度家族になれるはずでしょ!?


「さよなら……スイラ…ン…」


そう言って、ディオナは瞳を閉じた。
まるで、時が止まったかのように長い時間、私は動けずにいた。


「嘘………嘘だよ、こんなの……」


もう、何も話さないディオナの両頬を両手で包み込む。



「私達、何を間違ってしまったんだろうっ……」


ポタンッ、ポタンッと涙がディオナの頬に落ちては流れる。まるで、ディオナも泣いているかのように見えた。