深紅の花に姫君《改装版》




「さぁ、醜いクリス。スイランを殺して」

「……御意」


ーバッ!!!


クリスは人並外れた身体能力で飛び上がり、私に斬りかかる。


嘘、速いっ!!!
避けようとしても、間に合わない!!


咄嗟に目を閉じると、体を大きく後ろへ引かれた。


「……のやろっ!!!」


ーガキーンッ!!!


気づけばレインは私を抱き締めながら、剣でクリスの攻撃を弾いた。


クリスは後ろに飛び退き、また剣を構え、向かってくる。


「ふっ!!」

「スイラン、そこから動くな……よ!!」


ーキンッ、ガキーンッ


剣と剣のぶつかる金属音が鳴る。
それは、私の心にも痛みと共に響いた。


起こってしまった。
目の前で、私は家族と戦い、大切な人を戦わせてしまっている。


「私の血は、どこまでも………」


誰かを不幸にするの?



「…ディオナ、あなたは本当に王位の為に私たちを殺すの?」


ねぇ、ディオナ。
私達をもう一度家族として見てはくれないの?


「ふふっ、そうよ!!」

「ディオナ………」



私達はもう、分かり合えないの?
理由があると言ってほしかった。


そんな理由で、私達は争うの?


「本当に醜いのは、誰なんだろうね……」


私は無理矢理笑う。
本当に醜いのは…………私達人間かもしれない。