「お前が女なら、こんな風に剣を持つ事も、自分から戦おうとしたり、強く在ろうとしたり、危険な人生は歩まずにすんだのかもな……」

「!!」


レインに女だったなら、なんて言われると心臓がドキッとした。


「そしたら、ただ騎士に守られて、いつかは結婚して……そんな幸せもあっただろ?」


「………でも、守られてるだけの存在になるくらいなら、男で良かったと思うよ」



私が剣を持つ事が出来るのは、今男として生きる事が出来ているからだ。


「………どこまでもブレねぇよな、スイランは。真っ直ぐで、純粋で……だから俺は、お前を守りたいと思うんだろうな…」


愛しそうに私を見下ろすレインに戸惑う。


そんな、大切な人へ向けるような熱い視線はやめてほしい。
私は王子として生きてるんたから……


「本当、女なら………」

「え??」


小さく呟いたレインに、私は首を傾げた。