深紅の花に姫君《改装版》


⭐rain side⭐


「スイラン………」


落ちた穴の先、やっと足がついたと思った先にあったのは、カルノンゲーテの教会だった。



そして、そこにいたのは、会いたくて会いたくて仕方なかった女だった。


深紅の花の中で眠る、一人の少女。


「お前、心配かけやがって………」


俺は、そこに膝をつき、眠るスイランに顔を近づける。


ーポタリと、涙がスイランの頬に落ちた。


最初は、ただほっとけないって思っただけだった。なのに、いつの間に……



「いつから、こんなにお前を好きになったんだろうな」


いつからなんて、覚えてない。でも、はじめて会ったあの月の晩から、俺はもう……


恋に落ちていたのかもしれない。


「起きろ……頼むから……」


俺に、また笑いかけてくれ。


「頼むからっ……また笑えよ‼お前がいなきゃ、俺は生きてたって意味ねぇーんだよ‼」


お前が生きる理由だった。
お前を守る事が、俺の戦う理由だった。



「俺は、お前だけの騎士だ。ずっと、お前がどこにいたって守りたい」


それが、夢の中でも、死後の世界でも……


「お前を探して、何度だって……見つけ出してやる‼」


でもよ………
見つけられても、お前は目を覚まさない。


「スイラン‼死ぬなっ‼」


頼むから死ぬなよ!!!


苦しくて、苦しくて、俺は泣き叫んだ。この声が届いているなら、早く目を覚ましてくれるようにと……