深紅の花に姫君《改装版》



「ゼネフ様は……あの世界を、あの世界に生きるモノを誰よりも愛しているんですね」

『何故』

「苦しまずにいてほしい、そう思っているのでしょう」


『………………』


なにも言わない事が、答えだと分かった。


「ゼネフ様、私は、あの世界を愛する心から生まれた女神なんです。そんな私が、人としてあの世界で生きて、もっとあの世界が好きになった」


あの世界には、私の大切なものがたくさんある。


「あの世界は、とても美しいんです。人は争い、過ちを犯すけど、時間はかかれど、世界は変わっていく…」


そう、それは、私たちが自ら選んだ道。


「見守っていてほしい、もっと人間の力を信じて。じきに、人が手を取り合って生きる時代がやってきます」


皆が対等に、意見し合える世界。


格差を無くしたいと願う人がいて、誰かを想う優しい心を知る人がいれば、必ず。