「スイラン‼」


私に駆け寄ろうとするレインと目が合う。


「レイン、今まで………ありがとう」


ありがとう、レイン。
私の、私だけの騎士………



本当に、本当に大好きな人。


「スイランっ………もうかよ‼まだ、お前に言いたい事、見せてやりたいもんもあんのに‼」


もう、充分すぎるほど、レインは私に、温かい気持ちと知らない世界を教えてくれた。


「もっと……」


もっと、ずっと…


「この世界で生きていたいと思えるくらいに」


私は、あなたと、あなたが生きるこの世界が……


「大好きだよ」


精一杯、涙でぐちゃぐちゃな顔でも、笑顔を見せた。


だから、心配しないで、私は大丈夫だから。
きっと、役目を果たしてみせるよ。