『アスランの強く、美しい愛に、私は、次々とアルバンテールから去る神を見送りながから、この地に残る事を決めた』


祈るアスランの前に、一人の女神が姿を表す。黄金の長いウェーブのかかった神の女性。


それは、この世のモノとは思えないほど美しく、神聖な女神だった。


「あなた様はっ………」

「アスラン・アルバンテールね」


アスランは驚きながらも、アリア様を見上げ、涙を流した。


「私たちは、神様方を酷く失望させたのでしょう。もう、言葉を交わすことは、出来ないと思っておりました」


「それは私も同じ。離れていく神に、人は失望したのではない?」

その時のアリア様は、酷く悲しげだった。そんなアリア様に、アスランが笑いかける。


「私たちが、こうして生きてゆけるのは、神様方がいらっしゃるからです。感謝こそすれ、失望などなさいません」


そう言うと、アスランは深々と、アリア様に頭を下げた。


「ですが………」


アスランは言いにくそうに、それでいて迷わず、真っ直ぐな瞳をアリア様へと向け、告げる。



「民の中には、神様方を信じられなくなってしまった者もおりましょう。私たちは今、大きな試練の中で戦っていますから……」


「大きな、試練……?」


「はい。時代と共に、人も国も変わっていくのです。それ故に、争いも起きる。譲れない意志があり、叶えたい願いがあるから……」



アスラン………
この人の言葉、体に電流が走ったみたいに、聞き入ってしまう。


この人の考え、思いを知りたい。そう思わせる………