深紅の花に姫君《改装版》



ーバチバチッ


ヴラドの体から、電気のような稲妻が走った。空気が振動し、身体中が痺れる。


「ヴラド、あなたは何をそんなに動揺してるの!?」

「動揺?それは、心などという無意味なモノを持つ人間だけが感じる感情ですよ。私にはそんな無意味なモノ、存在しない」


心が無いほど冷たい人が、それが例え怒りであっても、感情をもってるだろうか?



ううん、違う。きっと、ヴラドにも心がある。



「あなたは今怒っているでしょう!?それは心が生み出す感情だよ!!」


どうして否定するの??どうして!!!?


私には、ヴラドが怒る意味も、心を否定する意味も分からない。ただ、愚かだからと人を狩ることは間違いだって分かるから……


「調子に乗るな、人間!!!」


ついに、口調が変化し、ヴラドの紅い瞳が鋭く光った。そして、私に襲いかかってくる。



「スイラン!!!」


ーブンッ!!!


すかさずレインが剣でヴラドを薙ぎ払う。ジルドが私を抱き寄せ、瞬間移動で私をヴラドから引き離した。


ードサッ!!!


しかし、ヴラドを薙ぎ払ったはずのレインが、地面に倒れていた。