ーダート領地、ダート城下町


ーバチバチバチッ


炎がはぜ、金属がぶつかる音がした。そう、私たちはダートへ着いてからすぐにヴァンパイアと交戦することになったのだ。



ーキーンッ!!!


「物凄いヴァンパイアの数だ!!」


レインはヴァンパイアを薙ぎ払い、私を守るように前に立つ。


ダート……水に溢れた大地が炎に包まれているなんて……。一瞬、闇に沈みそうになり、頭をブンブンと振った。


今は、落ち込んでる場合じゃない。やるべきことをしなきゃ!!



「国家騎士団のみ僕と共に城へ!!残りはここで交戦!!」


私の指示に皆すぐさま動き出す。レインは左手で私の手を引き、右手で敵を薙ぎ払い、道を切り開いていく。


「そこをどけぇぇぇぇーーーー!!!」


ーザシュッ!!!!


まるで鬼神のように立ち止まることなく突き進んでいく。



「城だ!!門をぶち壊すぞーー!!どりゃああああ!!!」


先頭をきったスヴェンが大剣で門を吹き飛ばした。すかさずジェイドさんが入り、敵を軽やかに双剣で切り裂いていく。



こんな時だと言うのに、その剣筋に見とれてしまう。そして、彼らを心強く思った。