深紅の花に姫君《改装版》



ーコツン、コツン


「話はまとまったか、スイラン王子」

「久しぶり、ガウェイン様」


私は、振り返りアフィルカ領主、ガウェイン・アフィルカ様を振り返った。


赤茶色の短髪は、まるで炎のようになびいている。ガウェインは、スヴェンは、猛将という言葉が合う、戦いに長けた領主だ。


「こっちは、民も傷つけられてんだ。平和に解決ってわけにはいかねぇ」


「ガウェイン様………」


民の生きる家も、そして民自身も傷つけられたガウェイン様の怒りは、業火に燃えているだろう。



「命には命をもって償うのが道理だろうよ?」


ガウェインは、大振りの斧を肩にかける。今にも、シルヴィエ様の首を落とすほどの殺気だった。


すごい殺気………まるで、肌を何万の針で刺されてるみたい………