「あっ………あぁ…」
そのダート兵の様子に、私は嫌な予感がした。ふと、ジルドの言葉を思い出す。
『ヴラドはヴァンパイアを収集し、アルバンテールを襲うみたいだ』
まさか、ヴァンパィアの事と、何か関係が……?
「僕は、あなたの敵ではないよ。安心して、僕は君達を守りたいんだ」
私は、なるべく安心させるように笑いかける。すると、その兵士の瞳から、涙がこぼれた。
「王子っ……王子、私はどうしたらっ……。私は、私はっ…」
その震える肩を引き寄せて、私は彼を抱き締めた。
「王…子………っ…」
「ゆっくりでいい、僕は、あなたの言葉をちゃんと受け止めるよ。だから教えてほしい、あなた達がそんな悲しそうな顔をしてまで、剣を取らなければならなかった理由を」
その、言葉に、兵士はゆっくりと頷く。
「ダートは、先日、ヴァンパィアに襲撃され、一夜にして、ヴァンパィアの配下に置かれました」
「!!」
その言葉に、私やレイン、そしてアフィカ兵も驚きに言葉を失う。


