「ありがとう、レイン。あなたが、私の運命も背負って、隣に立ってくれた事、本当に感謝してるよ」
私は、その恩返しもする事が出来ないけど……
あなたがせめて、生きていける場所を守ると心に決めた。
「その運命も含めて、お前が大切なんだよ。だから、あたりまえだ」
レインはポンッと優しく私の頭を撫でた。その温かさに、これからくる別れの痛みが和らぐのを感じた。
「ホッホッ、若いのう」
「「!!」」
ヘルダルフおじちゃんの声に、二人でハッと我に返った。
や、やだ!!ヘルダルフおじちゃん、ここにいたんだった!!恥ずかしい!!
顔が熱くなるのを手で仰いでいると、同じようにレインも顔を仰いでいた。
そして、お互いに目が合い、パッと同時に目を逸らす。
…………なんというか、照れ臭い。